60年代の東宝特撮映画を支えた俳優さんたち

東宝の特撮映画を観ていると、古い映画ほど、出演している俳優さんの演技がリアルに見えると感じるのは私だけでしょうか。

演技が上手に見えるのではなく『リアル』に見えるのです。

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毎回お馴染みの俳優さんがいる安心感

ノスタルジーが彼等の演技を上手く見せているのでしょうか

昔の俳優さんは、セリフが棒読みっぽく聞こえる俳優さんもいるのですが、当時の人々は皆こんな喋り方だったんじゃないかと思わせる『何か』があるのです。

怪獣映画やSF映画って、やっぱりどこか、ドキュメンタリータッチに描かれる事が多くて、本多猪四郎監督の演出も、役者にオーバーな演技を要求せず、比較的平明に演出されているように思うのです。

まるで、本当にいたらこんな感じだったのだろうと思わせるような。

適材適所感がハンパない配役

東宝特撮映画は、主役の脇を固める俳優さんたち、そして出番はそう多くないものの毎回でてくる俳優さんたちが適材適所で、それをチェックするのも楽しみ方のひとつです。

平田昭彦さんといえば博士、田崎潤さんは自衛隊長官か新聞社のデスクそして神宮寺大佐。

藤田進さんなんか俳優には思えません本物の将校さんです。

藤田進さんの「攻撃開始!」のセリフは、平成のGフォースのセリフとは重みが違って感じられます。

五社協定が東宝カラーをいい意味で醸し出している?

東宝の専属俳優は東宝の映画以外は出演できませんでした

五社協定とは日活の他の映画会社からの俳優さんの引き抜きを防止するために他の映画会社が組んで結んだ協定です。

この協定はスター俳優には適用されていますが、東宝特撮って毎回、ワンシーンだけ出てくる新聞記者とか漁師さんとかの、お馴染みのメンバーの安心感がいいのだと感じさせてくれます。

この、ちょっとだけ出てくる俳優さんを見ると、喜劇役者さんの演技力は凄くないですか?

『三大怪獣〜』の阿蘇山で帽子を取りにいくおじさんやサルノ王女と腕輪と服を取り替えたおじさんとか…。

1971年東宝専属俳優の全員解雇

東宝特撮のメイン俳優さんがいない?

時代はテレビへ移っていく中、1970年を境に『ゴジラ対ヘドラ』からでしょうか、お馴染みの俳優陣が姿を見せなくなります。

俳優さんの世代交代と映画界の斜陽。

東宝の怪獣映画はチャンピオン祭りの中に組み込まれます。

宝田明明さんも佐原健二さんもいない特撮映画の時代。

最後までゴジラ映画を大切にしてくださった平田昭彦さん

そんな中、平田昭彦さんの『ゴジラ対メカゴジラ』『メカゴジラの逆襲』へのご出演。

1984版『ゴジラ』への出演も楽しみにしておられたそうです。(徹子の部屋で奥様が仰られていました。)出演されていたならどの役だったのでしょう。

見たかったなぁ。

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キングコング対ゴジラでの浜美枝の悲鳴に匹敵する演技を、平成の女優陣でできた人はいるだろうか?

『キングコング対ゴジラ』の後、ボンドガールにも抜擢された浜美枝さん。

キングコングに体を握られて絶叫するシーン。

あのシーンを平成以降ゴジラシリーズに出ていた女優さんが演じている所、想像してみましたが浜美枝さんを超えそうな女優さんいますか?

映画専属女優さんって凄い。

これからゴジラ映画に出演する女優さんは、この浜美枝さんのシーンを1度見て欲しいです。

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●東宝特撮映画のおかしな配役を考える

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