『シン・ウルトラマン』の感想。ストーリー以外を楽しんだ。

シン・ウルトラマンを観てきました。

毎回、映画の感想は、プログラムを読む前に、自分の記憶に残っている部分を思い出しながら書いています。

しかしながら、役者さんやキャラクターの名前など、記憶していないところは、多少カンニングしながらの感想記事ということになります。

ネタバレになりますので、まだ『シン・ウルトラマン』をまだ観ていない人は読まないほうがいいかなと思います。

ちなみに私はジジイです。

『帰ってきたウルトラマン』の時代に幼稚園児だったくらいの世代です。

初代ウルトラマンの内容もうる覚えですが、なんとか今回の『シン・ウルトラマン』と対比しながら語ってみます。

どちらと言えば私は、ストーリー以外の部分を楽しんで観たという感じです。

テレビシリーズとの対比や破壊シーン、怪獣のデザインなど。

ストーリーの中のメッセージや隠されたラブストーリーなどは、私には1回観ただけでは評論できる能力はありませんでした。

スポンサーリンク

庵野秀明氏の円谷作品への敬意を感じた

『シン・ウルトラマン』、観る前は、知っている怪獣が出てくるものの、これまでとは全く違う1本のストーリーなのかなと想像して劇場に足を運びました。

実際は、テレビシリーズの『ウルトラマン』の何回分かを繋げたオムニバス的なストーリーになっていました。

そして、順番に出てくる怪獣と宇宙人…じゃなかった、外星人も、テレビシリーズの『ウルトラマン』とプロットはほぼ同じでした。

ネロンガが電気を狙うとか、

ガボラが放射性物質を狙うとか、

そういう部分は、やはり、庵野秀明氏が『ウルトラマン』を観て受けた感動が根底にあって、

変えちゃいけない部分というのがあったのかもしれない。

そういうところは、『ウルトラマン』を作った当時のスタッフへの敬意を感じました。

ネロンガが変電所を襲うシーンなんかは、撮影技術が変わっただけで、前のままやん。て感じがしました。

もちろん私も、全く別の展開よりも、これで良かったと思います。

ただ、ゼットンの設定はちょっと…

バラゴンの着ぐるみ流用怪獣3体登場!

『フランケンシュタイン対地底怪獣バラゴン』に登場するバラゴンの着ぐるみが改造されて『ウルトラQ』『ウルトラマン』の怪獣になって登場することは良く知られています。

今回の『シン・ウルトラマン』にはその中の3匹が登場してきました。

これは庵野秀明氏の好みでしょうか?

それともストーリー上、偶然なのでしょうか?

その怪獣は、

パゴス(ウルトラQ)

ネロンガ(ウルトラマン)

ガボラ(ウルトラマン)

劇内では、パゴスとガボラは同類の怪獣と見なされていました。

パゴスとガボラの顔が同じという。

でもあまりに、テレビシリーズの時と顔が違って私は違和感を感じました。

なんだか「顔なし」みたいな顔で…。

あの頭部のデザインには、何かメッセージがあるのですか?

ジブリに対するメッセージとか、

エバンゲリオンのファンなら分かるとか?

それとも元々の成田了氏が描いたガボラの頭はあんなだったとか?

私には分かりません。

関連記事

怪獣バラゴンの着ぐるみ流用説を確かめる

同じ着ぐるみベースでもCGだとこうも変わるのか

同じバラゴンの流用だった『ウルトラマン』でのネロンガとガボラ。

ネロンガは、デザインは変わっていなかったと思いますが、

ガボラに至っては、頭部を覆うヒレ上の部分がドリルと化す!

まるで海底軍艦か!グビラか!

バラゴンから受け継ぐ背中のボコボコも背中でスクリューの様に回転するという。

生物の構造で、回転ってあり得るのか?!

あれなら、地底の硬い岩盤も砕きそう。

ファンが喜ぶ着ぐるみ流用ネタは他にもあった

着ぐるみ流用ネタはあなたもすぐに気づいたと思います。

ゴメスが冒頭に登場しました。

やってくれたって感じです。

そう、シンゴジラの体をベースにしたゴメスでした!

つぶらなお目目が…。

正確にはシンゴジラもCGなので、着ぐるみ流用ではありませんが、ウルトラQでのゴメスが『モスラ対ゴジラ』に使われた通称「モスゴジ」の着ぐるみを改造して作ったことを知っている人にとっては、面白いネタがひとつ増えたと言っていいでしょう。

私もそのシーンでニンマリしてしまいました。

人間体と変身後の体型が違うのは「お約束」?

まあ、人間体はウルトラマンが体を借りているようなものだから、気にするところではないのですが、

昭和のウルトラシリーズを観ていつも感じていたこと、それは人間体と変身後の体型がいつも違うことです。

今回は、ウルトラマンがガリガリ風で人間体の神永はガタイがいい。

ウルトラマンと神永(斉藤工)が取っ組み合いしたら神永が勝っちやいそうな感じでした。

それは昭和ウルトラマンでもそうで、ハヤタは典型的な日本人体型だが、ウルトラマンになると8頭身的な長身体型に!

逆に、帰ってきたウルトラマンでは、郷秀樹は8頭身的モデル体型なのに、ウルトラマンに変身すると華奢でこじんまりとした体型なる。(肩パッドなし!)

まあ、体型が合っている必要はないのですが、前から気になっていたもので。

ザラブ星人辺りの記憶がない

この感想記事は『シンウルトラマン』を観て4日後に書いています。

歳のせいか、ザラブ星人あたりの流れが全く記憶に残っていません。

ザラブ星人が帽子を被っていたことくらいしか。

これじゃあかんと思ってネットでカンニングをしたら記憶が戻って来ました。

そうそう、ザラブ星人=偽ウルトラマンでした。

しかし、今回の偽ウルトラマンは、目の形が昭和偽ウルトラマンほど吊り上がっていません。

目が六角形風で目尻がちょっとだけ上がっているような感じ。

人間から見てパチモンと区別がついちゃいかんという配慮なのでしょうね。

その偽ウルトラマンが街を壊しているCGの動きがぎこちなくて、改めてスーツメーションの素晴らしさを再認識。

ミニチュア特撮好きの心をくすぐる「飛び人形感」

昭和の人間としては、やっぱりミニチュア特撮に愛着があります。

そんな私のような古い特撮ファンの心をくすぐったのが、

ウルトラマンが垂直に飛んで行く時の、あの飛び人形感!

あれはCG?

わざわざテレビ版ウルトラマンが飛行する時の、あの人形感を出しているのが、なぜかなぜか心を揺さぶられました。

一瞬、衝撃波が体を走るという演出も粋な感じでした。

子供のころ、あの飛び人形を観てなんの疑問も持たない自分がいたことを思い出しました。

空を飛ぶ時だけ、なんで体がテカテカなんだろうという…

飛び人形バンザイ!

ゼットンが光の国の兵器という納得できない感

あなたは、どう思いましたか。

ゼットンはウルトラマンの最強の敵だったはず。

それが、光の国の兵器だったという設定はちょっと…。

それもゾフィー、いやゾーフィが無慈悲過ぎて、

ウルトラマンの顔(ゾフィーも)は、仏像のアルカイックスマイルがモチーフだったはずじゃなかったのか?!

ゾーフィのちょっと人間を見下した感が残念でした。

これは庵野版モンスターバースなのか?!

オープニングでは昭和『ウルトラマン』のシークエンスを踏襲しています。

テレビ版では、赤いバックに『ウルトラQ』の文字が破れて『ウルトラマン』のタイトルが出ますが、

今回は赤いバックに『シン・ゴジラ』と出てきてそれが破れて『シン・ウルトラマン』です。

そして、劇中に竹野内豊が登場するところで、『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』は、同じ世界線に存在するのかな?

と感じさせられます。

きっとそうなのでしょう。

人間のアップの多い演出など、ほぼ同じ世界に見えます。

東宝特撮と円谷プロ作品がバース化しているこの奇妙な感じ。

考えてみれば、昭和40年代テレビで怪獣が毎週観られるようになって、映画のゴジラシリーズが下火になっていったという見方もあるわけで、

そのゴジラとウルトラマンが同じ世界線にいるような状態。

予想と違ったところ

ストーリーや演出を見ていて、私の想像と違ったところがありました。

カトクタイ(漢字が思い出せない)の、オタクっぽい隊員さん(滝)の、挙動った表情が一瞬、捉えられるカットがあったと思うんですが、

私はそれを見て、

この人は、もしかして悪側(メフィラス)に寝返るか、

実は悪側の外星人が化けている。

とか、スパイなんじゃないかと途中で想像していたのですが、

ただの私の勘違いでした。

挙動った演技がちょっと上手すぎて、まさに演技に見えたのです。

最後まで、彼はカトクタイの隊員でした。

大人の鑑賞に耐えるウルトラマンの泣きどころ

ウルトラマンという特撮作品として、湧いてくる疑問はあなたも持っていると思います。

偽ウルトラマンとウルトラマンが格闘しているあたりを観ていて思ったのですが、

高度な文明を持っている宇宙人であるはずのウルトラマンとザラブ星人。

なのに彼らが裸でアルティメットファイトしている姿が、

“いい大人の喧嘩” に見えてしまいそうになる。

ウルトラマンも総合格闘技のテクニックを持っているわけでもなく。

光線技があるとしても…。

クライマックスがあまり印象に残っていない

感想記事を書くためには、私のような初老の人間は、2回は観ないと記憶が保てません。

とはいえクライマックスの盛り上がりは1回観ただけでも記憶に焼き付きそうなものですが、

あまりラストあたりが感動の記憶として焼きついていません。

これは、ゾーフィとウルトラマンのやりとりが、テレビシリーズの最終回の焼き直しであることからの既視感からなのかもしれません。

テレビシリーズのウルトラマン最終回のオマージュとしては、『ウルトラマンZ』の最終回のほうが良くできていたと言ったら、樋口慎二監督を怒らせてしまうでしょうか。

『シン、ウルトラマン』を観た後、衝撃を受けて、しばらく席から立ち上がれなかった。

と、いうところまでは、今回なりませんでしたが、

数年前、ガリガリの身体でカラータイマーのないウルトラマンのビジュアルを初めて見た時、

全く違うストーリーのウルトラマンが出来上がると想像していたのですが、

『シン・ウルトラマン』は、なんだかんだ言っても従来のウルトラマンだった。

という感想です。

平成、令和のウルトラマンで育った方々は、どう感じたのでしょう。

以上 『シン・ウルトラマン』の感想でした。

感想になってないな、これは。

2回目の鑑賞で気づくこともある

この感想を書いてからずいぶん経って6月4日にもう一度『シン・ウルトラマン』を観てきました。

一度の鑑賞では気に留めなかったことなどが2度目で気づくことってありますね。

ウルトラマンの顔の違い

いちばん最初に、銀色の姿で登場した時のウルトラマンの顔は、俗に言う「ラバーマスク」を模してCGで作られていたのに気づきました。

(気づくの遅すぎるやろ)

次に出てくる時は、グラスファイバー製のウルトラマンの顔。

という、こだわりよう。

神永の元同僚って何者?

神永がザラブ星人に拐われる前に、元同僚と会うじゃないですか。

あの元同僚って、なんか重要な役回りに見えたんだけど、

結局、有能な元同僚ってだけで出番が終わってしまいましたが。

なんかおかしいと思いませんでしたか。

ゾーフィか、それか、他のウルトラ族(例えばセブンとかジャックとか)が人間体になっていたんじゃないかと想像していたのですが、

出番はあれだけって、ほんとにただの同僚だったのか?

他にも、ネロンガやガボラが出てきたのがメフィラスの仕業だったとは。

後半あたりの映画を観る集中力が切れてきたあたりに言われても気づかなかった私。

やはり、2回は観ないと小ネタや微妙な設定までは気付きませんね。

※Amazonプライムビデオでは、東宝版ゴジラシリーズ見放題が終了してしまいました。残念です。

Amazonプライム無料体験はこちら

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする