『怪獣大戦争』の感想。荒唐無稽なSFおとぎ話と割り切って楽しもう!

ゴジラとラドンを他の星まで連れて行ってしまうという、突拍子もないアイディア!

そんな、大胆で荒唐無稽なアイディアをマジでやり切ったのが、

『怪獣大戦争』

荒唐無稽すぎて、おとぎ話のようにも感じられます。

この『怪獣大戦争』(1965年・昭和40年12月19日公開)

同年8月には、同じくニック・アダムスが出演している『フランケンシュタイン対地底怪獣』が公開されています。

『フラバラ』のペシミスティックでシリアスな雰囲気と、『怪獣大戦争』のすっ飛んだストーリーの違いに、ニック・アダムスも

「なんだこれは!!!」(岡本太郎風に)

と感じたかは分かりません。

脚本家の違いで、監督が同じ本多猪四郎さんでも、ここまで変わってくる。

※『フランケンシュタイン対地底怪獣』は馬淵薫さん、

『怪獣大戦争』は関沢新一さんの脚本です。

その違いを味わうのもまた楽しいものです。

関沢新一脚本は、どちらかと言えば、深いテーマよりも、エンターテイメント性を重視した脚本です。

ですので、ツッコミを入れながら感想を綴っていくのが楽しいのです。

「おいおいそれでいいのか!」というようにみんなでツッコむ。

それが許される。

それが関沢脚本。

それが『怪獣大戦争』なのです。

では感想文。行ってみよう!

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乗っけから炸裂『怪獣大戦争マーチ』

オープニングの『怪獣大戦争マーチ』で、我々はいきなりハートを撃ち抜かれます。

少年は胸を躍らせずにはいられません。

このテーマのモチーフは、1954年の『ゴジラ』でも使われていました。

『宇宙大戦争』でも同じモチーフが使われています。(『シン・ゴジラ』でも使っていましたね。

でも、この『怪獣大戦争マーチ』は、『ゴジラ』での録音とでは、

グルーヴ感が違います。

演奏の違いで、

『昭和の出来立ての自衛隊』感。

『宇宙人を相手にする防衛軍』感。

の違いを出せるんだなあと感心させられました。

『ゴジラ』では牧歌的な演奏ですが、

『怪獣大戦争』は、緊迫感の感じられる名演です。(フルートがいい味出してます。)

格闘家、佐竹雅昭の入場曲

この『怪獣大戦争マーチ』ですが、格闘家の佐竹雅昭の入場曲でもありました。

私も怪獣映画から遠ざかっていた頃、テレビでの(空手かK1)大会の告知CMで「怪獣大戦争マーチ」が流れているのを聞いたような記憶があります。

著作権料が発生していたはずですよね。

ちゃんと払ってたのかな?

タイトルバックは静止画に

『怪獣大戦争』では、タイトルバックは静止画になりました。

P-1号や宇宙局のパラボラアンテナなどの静止画が使われています。

『モスラ対ゴジラ』では、タイトルバック用の「台風でうねる海」の特撮でした。

『三大怪獣地球最大の決戦』のタイトルバックは、劇中の怪獣たちのシーン(使い回し?)でした。

そして『怪獣大戦争』のタイトルバックは静止画。

それはそれで、イケてるのですが、(特にパラボラアンテナ)

映画が娯楽の王様だった時代に、やや、陰りが見え始めたことを感じさせられます。

しかし、このミニチュアたちの出来が凄いんで、逆に感動してしまいます。

関沢新一脚本のホームドラマ感

関沢新一脚本は、いつものように、物語の序盤に、ホームドラマ的な、和やかな演出を入れてきます。

この演出で、上手く人間関係を分からせていきます。

『キングコング対ゴジラ』や『三大怪獣地球最大の決戦』でも、そうでしたね。

今回は、妹の結婚に反対の兄という設定を上手く表現しています。

180度ミステイクを、すまんすまんで片付ける二人

「グレン、なんだか変じゃないのか?」

「180度ミステイク。すまんすまん」

画面が180度回転。

おいおい!!!凄い演出だな!!!

宇宙パイロットとしては、三重丸は付けられる男二人が、

すまんすまん、で片付けちゃっていいものなのか!

『フランケンシュタイン対地底怪獣』でシリアスな世界を演じたニック・アダムスも面食らったんじゃないでしょうか。

ここが、ハードSFじゃなく、SFおとぎ話と感じさせられるところです。

映画全体を通してて流れている、喜劇感。

「X星が暗い星なんでね、現在の望遠鏡では、発見出来なかった。」

これもまた、さらっと言っちゃう。

逆に潔い脚本だ!

田崎潤さんの演技は、怪獣映画を見下したところがなく、どの作品も素晴らしい。

P-1号の飛ぶ姿がカッコいい

冒頭のP-1号が宇宙を飛ぶシーン。

P-1号は静止画で、周りの星くずだけが後方へ流れていく。

星の流れる速さがそれぞれ違っていて、P-1号が高速で進んでいる感が素晴らしい。

このシーン、どうやって作ったのでしょう?

アニメでしょうか?たしか、ガラス板をずらしなが撮影したと読んだ記憶がありますが、感じ出てますよね。

それと、ホテルのロビーにシーンが移る直前、

P-1号が大宇宙を飛んでくシーンが、かっけー!

宇宙を飛んでるのに、空気感がある不思議なシーンです。

そんでもって、宇宙空間なのに

「シューッ」と飛行音がする!!!

でも、カッコいいからいいんです。

P-1号、X星に着陸!

ついにX星に着陸するP-1号。

摂氏15度!

富士:「太陽の距離から計算して、考えられない距離だな。」

って、計算してないけど、暗算か?!

さすが、三重丸の宇宙パイロット!

木星をバックに垂直着陸するP-1号の美しさ!

いつの日か、本当に垂直着陸できるロケットが開発される日は来るのでしょうか。

※この記事を書いている途中でビッグニュースが入ってきました!

アメリカで垂直着陸が実現しました。
映像見てビックリ!
アニメにしか見えませんが、本当らしいですコレ!

「放射能は?」

「なし!」

着陸してからじゃ遅っすぎるでしょ!!!

P-1号からタラップから下りてくるグレン。

地上で迎える富士。

ここでは、お得意の人形が使われます。

この富士人形の左手をちょこっとだけ微妙に動かしてリアルに見せる。

円谷特撮がよく使う技です。

テグスで引っ張ってんのかなあ。

土屋嘉男さんあっての統制官

X星の統制官を演じる土屋嘉男さんが名演です。

こういう、ノリに乗って演じてくれる役者さんって素晴らしいですね。

平成の『ゴジラ対キングギドラ』での名演も、この昭和時代の特撮に、張り切って演じていてくれたからこその土屋さんだったのだと思います。

ありがとうございました、土屋さん。

統制官の手話のようなジェスチャー。

私のお気に入りは、統制官が手元にあるボタンを押すシーン。

統制官さんが

デカいボタンは親指で、

小さいボタンは人差し指と中指の2本で同時に押すところが、オシャレー!なのです。

これ、本多監督じゃなくて、土屋嘉男さんのアイディアのような気がします。

キングギドラの飛行姿勢が歴代ベスト

そして、X星の地表を破壊しながら木星をバックに飛ぶキングギドラの飛行するシルエット!

私としては、これまでのゴジラ映画に出てくるキングギドラの映像で、

キングギドラが飛んでる感。飛行姿勢ではこれが最高のシーンに思えます。

首の動き、翼の動き、尻尾の動き、どれも秀逸です。

重力が地球の1/3、気圧が1/10という設定が上手く表現されていると思います。

富士兄妹に親はいないらしい

富士兄妹は、富士宇宙局員が、はるのさんの親代わりのような設定です。

現代なら、兄貴が結婚に反対しても押し切ってしまいそうですが。

しかし、実際、宝田明さんの年代ではこのような環境の兄妹もいたでしょう。

宝田明さんも満洲で8月15日を迎えています。

バンガローで統制官に会っちゃうグレン

ここいらへんの、ストーリーの成り行き感が凄い!

波川と泊まったバンガローで統制官に会っちゃうって、

統制官、脇が甘すぎやろっ!!!

寝てる間の出来事を覚えているグレン。

グレンは、レム睡眠中だったのでしょう。

レム睡眠時は脳が記憶の整理をしていますから、あり得ない話ではありません。

見たことないような特撮シーンの連発

明神湖から浮き上がるX星人の円盤!

なんと幻想的なシーンなのでしょう!

ドライアイスで表現した、謎の煙。

内側から発光している円盤!

円盤が移動する時の効果音も最高に雰囲気を出しています。

やっぱり円谷英二監督って凄い。

そして大好きなシーン。子供の頃に見てずっと覚えていた驚きのシーンは、

鷲が沢の崖の岩肌に潜り込んでいたラドンを、光線で岩を砕いて、引き出すシーン!!!

こんな特撮見せられたらハリウッドも黙るしかないでしょ!

(ラドンの足がぴーんと伸びているのが面白い)

この、ゴジラは湖底から、ラドンは崖から、引っ張り出すシーン。
伊福部音楽がジャストマッチ!

言うことありません。

余談ですが、

『三大怪獣地球最大の決戦』の後、

ラドンはどうやって鷲が沢の崖に潜り込んだのでしょう。
ゴジラも、誰にも知られずに湖底に消えるなんて…。

こちらの記事で、語っています。

帰っていくモスラを見送ったゴジラとラドンのその後

波川女子の赤いオープンカーのシート???

「グレン、今すぐ私と結婚しなくてはいけないわ」

と、計算機にない発言をする波川女子ですが、その場面で気になったことが…。

二人が乗っている真っ赤なオープンカーですが、

シートにビニールが貼ったままだぞ?!

私の見間違いじゃないですよね。

まさか、

撮影のために、新車をレンタルしたので、ビニールを剥がせなかったのか?

一瞬のシーンだから、気づく人はいないだろ。なんてそのまま撮影続行!

(DVD や動画配信で細かくチェックされるとは本多監督も思わなかったか?)

または、

1960年代の日本では、オープンカーのシートは、雨に濡れないようにビニールを貼るのが一般的だったのか?

それとも、ああいうシートなのでしょうか?

久保明の、冴えない青年の演技がいいのです。

鳥井哲男を演じる久保明さんがいい味出してます。

久保明さんは、青春映画スターだったようですが、冴えない青年の雰囲気を上手く出しています。

わざとらしいベタな演技のところ、

私が気に入ったのは、

世界教育社の別荘を訪ねて、床が抜けて落ちてゆくシーン

「うあ〜〜〜」

のところ、最高です www

ここ、声は後からつけたのでしょうか?

何回も巻き戻して見てしまいます。

「うあ〜〜〜」

あとは、牢屋で、グレンに合うところで、

「あなたは〜」

と言いながら指差すシーン。

何気ないシーンですが、へんな場所で出会って、驚いて人差し指で相手を指すという演技がベタすぎて、

逆にいいなあと思ってしまうのです。

私だけですかね。

ゴジラとラドン、X星に到着

ゴジラとラドンは無事X星へ運ばれます。

ここでも幻想的な特撮シーンがいくつもあります。

私が驚いたのが、

2機の円盤が、光るトンネルの中へ入っていくシーン!!

いったいどうやって撮影したんだろう???

ピアノ線で吊ってたらスムーズにトンネルの中へは入っていけないし。

そのトンネルの中も、青いリング状の光がヒュルヒュルと光っている。

円盤が入っていった後にトンネルの入り口が閉まる(ワイヤーで円盤を吊っていたら無理)

こんな幻想的なシーン、その後の東宝特撮ではお目にかからなくなりました。

ちなみに、たぶん、ゴジラとラドンのバリアを解くための光線出す機会は、

『モスラ』で、東京タワーに作られた繭に向けて発射していたヤツの流用かな?

重力地球の1/3、気圧1/10でゴジラの空中殺法!

X星でのキングギドラ対ゴジラ、ラドンの戦いは、すでにX星人により、3匹とも電磁波でコントロールされていたのでしょうか?

筋書きのある怪獣プロレスだったのか?!

重力地球の1/3、気圧1/10の中での戦いということで、ゴジラがフライングボディーアタックをしたり、「シェー」で浮き上がります。

ラドンは重力1/3の中で、よく普通に飛ぶことができたなあ。

ここで、私が注目したポイントはここ!

★飛行中のラドンが、足でつかんだ岩を離して落とす瞬間、ラドンの足がビビンと振動するところ。

この足の揺れが、手作り感があって、昭和だなぁと。

これは、マグネットかなにかでしょうか。岩を離すギミックはどうなっているのでしょう?

X星人の建築文化はいまいち?

ゴジラとラドンが戦っている間に、富士とグレンは基地内を探検!

通路の奥のほうは、マット絵です。

追い詰められそうな富士とグレン!

グレンが、適当にボタンを押しまくって、エレベーターが開くのに、

追いかけてきたX星人は、3つか4つのボタンを押して、開かずに諦めちゃう!

「ダメだ!統制官に報告!」

あ、そうか、別の階にエレベーターが行ってたら、開かないか。

すいませんでした。

この物語はシリアスSFではなく、おとぎ話なのでツッコむところではないのですが、

X星人の司令室の階段の手摺り

高度な文明人に思えない(笑)

大事な情報が入ったテープをみんなで聞こう!

X星人から貰った、ガン特効薬の情報データが入った黄金の箱。

発泡スチロールですかこれは!!!

それにしても、宇宙連合宇宙局員の方々、

前もって内容をチェックもせずに、

いきなりみんなと一緒に全世界公開って、潔すぎるやろ!

普通なら、事前に1回聴いて、パニックにならないように対策するでしょう。

で、案の定、世界はパニックに!

モノクロ、セピア画像がいい味出してます。

溶けるパラボラアンテナ!

タイトルバックで凛々しく写っていた、宇宙局のパラボラアンテナが、円盤の攻撃によってぐにゃーっと溶かされます。

おお!

これは54’『ゴジラ』でやってた、ロウで作った鉄塔を熱で溶かす、円谷特撮の得意技だ!

今回のパラボラアンテナはたしか、塩化ビニールだったような…。

など、ディテールを楽しんでいるうちに、物語は急ピッチで進んでいきます。

知らぬ間に、地球に戻っているゴジラとラドン、そしてキングギドラも。

キングギドラはアメリカですが、

ゴジラとラドンはなんでわざわざ田舎に戻ってくる!

もっと日本の中枢的な場所で暴れたほうが効果あるだろ!

Aサイクル光線も

「だいたいどころか完成じゃないか!」

と、素晴らしく物語が進み始めるのだ!

グレンへの手紙が縦書き漢字日本語やないか!

仲間に消される直前に波川がグレンに渡した手紙…縦書きの漢字入りの日本語やないか!

「読んでみろ!」

グレンは、運良く、テツオに読ませるという幸運に恵まれたのであった。

てか、X星人が漢字書けんのスゴっ。

※wikiによると、『怪獣大戦争』の海外版では手紙は、英語に差し替えているそうです。

X星人はお笑い集団か?!

レディーガードって、ようするに、最近の小学生低学年児童がランドセルに付けてる、たまに間違ってピヨピヨピヨってなってる、アレですよね。

時代が進んで、レディーガードのアイディアが、子供の防犯用に使われている。

時代は変わっていくんですね。

そういえば気になったことが、

はるのさんが前半の場面で

「れでーがーど」って発音してるのが耳につきました。
素朴でいいなあ。

んなこたぁどうでもいいか。

そのレディーガードを、牢屋に入れられた哲男が鳴らす!

すると、牢屋の鍵を手に持ったX星人の見張り番が、苦しそうにヒーヒー言いながら牢屋の鉄格子にすがりついてくる!?

グレン:「鍵を取るんだ!!!」

舌を出しながら、牢屋の中から羽交い締めにされるX星人!

手には取ってくださいと言わんばかりに牢屋の鍵を持ている www

それも古臭いデカいカギだ!

X星人は高度な技術があるはずなのにwww

この流れ…。

本多監督も悩んだんじゃなかろうか?

この流れでいいのだろうかって。

そして、私の注目ポイントはここだ!

鍵を奪って牢屋を開け、脱走するグレンと哲男。

ドアの外にも見張り番のX星人が!

二人に気付いてX星人が発した言葉が、

「コラッ!」

コラって…

そんでもって、手には光線銃を持ってるのにあえて、力技でグレンににじり寄るX星人!

あっというまに返り討ち!

気の毒過ぎるX星人の役者さん

地面にへたり込んでグロッキーのX星人に向かって、容赦のない強烈パンチを振り下ろすグレン!

そこまでしなくても!というフルパンチ!

X星人役の役者さんが不憫でなりませんでした。

映画に出演したって身内に自慢できないじゃん。

これ見て、すでにダウンしている対戦相手に向かってパンチ振り下ろしていた具志堅用高を思い出しましたwww

もう一人のX星人も、グレンの強烈な右フックに撃沈!

殴り方がいかにもアメリカンです。
調子に乗りすぎやろ!

このX星人さんも、かわいそ過ぎるwww

このあたりのグレンのふるまい、いくら日本に戦争で勝ったからって、この殴り方はないやろ!

って繰り返して巻き戻して見ると感じてきます(笑)

大戦争ゴジスーツはもっと評価されていいのでは?

『怪獣大戦争』で活躍している着ぐるみ、「大戦争ゴジ」ですが、

私は好きなゴジラスーツのひとつです。

学生の頃、粘土造形にチャレンジした時も大戦争ゴジを作りました。

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ゴジラのガレージキットの造型作家誕生なるか⁉︎

大戦争ゴジは、初代、キンゴジ、モスゴジと比べると、ソフビやガレージモデルとして、発表される数が少ない気がします。

しかし、精悍な面構えは、ゴジラのスタンダードと言えなくもありません。

目の上の眉、がはっきりしなくなったのは、このゴジラからです。

ちなみに、ウルトラマンの怪獣「ジラース」は、

大戦争ゴジの頭とモスゴジの胴体です。

ラドンも変わっている

ラドンも『三大怪獣地球最大の決戦』の時とずいぶん見た目が変わっています。

私が画面を見て変わってと感じのは、

人が入るタイプのラドンは、

  • 首が、、前作では細かったのが、やや末広がりに太くなった。
  • 翼に付いている爪が下向きに変わった。
  • 前作では、提灯ブルマぽかった、大腿部から膝にかけての部分が、スリムジーンズみたいな足にかわっている。
  • ボディーと翼に、ブツブツが多くなった。

円谷特撮は歌舞伎だ

鉄橋の下から遠くにゴジラが前進する姿!そのゴジラがキャメラに向かって歌舞伎役者のように、手を上げて大見えを切る!

その瞬間、

俺を忘れちゃ困るぜよ!とばかりに、

ラドンが、その鉄橋を掠め飛び、衝撃波でなぎ倒す。

見る者の遠くで起きている出来事と、近くで起きている事を、鉄橋という物体を使って、2匹の位置関係と時間の流れを芸術的に表現した。素晴らしいシーンです。

(『怪獣総進撃』でもマンダとゴジラのシーンで立体撮影していましたよね。)

ラドンの鉄橋破壊シーンは、『空の大怪獣ラドン』での西海橋の破壊シーンにも負けてません。

哲男、義兄の信頼を勝ち取る!

哲男の結婚の承諾の件は、物語の間中、ほっておかれますが、

レディーガードの音が、X星人を苦しめると分かり、今まで冴えなかった彼の株が急上昇!

レディーガードの音を世界に流す準備の確認に、グレン達の様子を見にくる富士。

準備が着々と進んでいるのを聞いて心強い気持ちになる富士。

そして、そこで

富士は、哲男の肩をポンと叩く!

言葉には出さずも、

「お前を、認めたぞ、妹をくれてやる!」

という合図でしょう。

ここで、ホームドラマ編はハッピーエンドでとりあえず完結。

過去の映画の使い回し多し

怪物ゼロを加えて集中攻撃!

なんで、田舎町を集中攻撃してるんだよX星人!

とはいえ、破壊シーンは迫力満点。

遠近感の表現も素晴らしい!

そして、今回は怪獣と実景の合成が実に自然でリアルです。

巨大なゴジラの足だけを作って家屋をぶっ壊す!

しかし、ラドンが壊しだすあたりから、過去の映画のシーンの使い回しが目立ちます。

『空の大怪獣ラドン』から、『モスラ』『地球防衛軍』からも少し。

これは手抜きというよりは、貴重な過去のストックを上手く使ったといっていいでしょう。

ラドンが突然、赤茶色の体に!

なぜか、舞台は福岡に!

素晴らしい特撮シーンだからもう一度使いたくなりますよね。

じわる、土屋嘉男さんの演技

私だけかもしれませんが、クライマックス近くで、

土屋嘉男さん演じるX星人統制官の、

じわる演技、

それはここだ!

X星人A:「怪物コントロールの電磁波が破壊されました!」

統制官:「なにぃっ!?」

と言って

操縦席のX星人AとBをどけとばかりに払い除ける!

そして、おもむろに、

イチ、ニイ、サン、イチ、ニイ、サン、

操縦席に向かって心肺蘇生でもするかのような行動に出る!

これも本多監督の演出なのか?

じわる。

土屋嘉男さん最高です。

ここもリピートです!

最後の怪獣プロレスはオマケになってしまった。

電磁波コントロールから解き放たれた怪獣達は、自分たちの意思で戦い始めるわけですが、

この『怪獣大戦争』、この最後の怪獣同士の戦いが、「オマケとして付いてた感」がハンパありません。

それだけ、それまでの人類とX星人とのやりとりが楽しかったとも言えます。
(突っ込みどころ満載でしたが)

3匹が転げ落ちた海はいったいどこだ?(妄想)

ゴジラやラドンが蹂躙したあたりは、静岡県富士宮市付近なのですが、

ラストでは3匹が、ひっからまって、海と思われる水中に落下します。

静岡にあんな、ゴジラたちが2回転以上して転げ落ちることができるほどの断崖のある海岸ってあるのだろうか?

と思い、ちょっと調べてみると、

ありますね!

大崖海岸という場所が、100〜300mの断崖だそうです。

ゴジラたちが2回転落下、余裕でできる高さの崖です。

その上の丘に格闘できるような広い大地があるのかは分かりません。

富士宮市から大崖海岸までは、50キロとちょっとの距離です。

街を壊しながら海辺の崖の付近まで3匹が来ていたと仮定できそうです。(妄想)

それとも、3匹が落ちたのは、明神湖だったのか???

この映画の評価

『怪獣大戦争』の私の最終評価は、

90点。

まず、着想が素晴らしい。

ゴジラとラドンを他の星まで連れて行くという発想が面白い。

そして、X星人の喜劇集団感と、地球人達の超真剣な取り組み方とのギャップがじわじわ来ます。

この作品には、名所破壊シーンがないですよね。そこらへんが減点10点かな。

ラドンが壊した鉄橋は実在するのでしょうか?

ニック・アダムスさんには、真剣に演技してくれてありがとうと言いたい気持ちです。

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