ゴジラのあの皮膚の形状。
造形作家の皆さんは、あのヒダヒダをリアルに表現していますが、あの表面処理をリアルに表現できるかが、ゴジラ粘土原型作家の腕の見せ所でもあります。
一流造形作家の方々はどんなテクニックを使っているのでしょう。
造形家はゴジラの表皮のモールドをどうやって作っているのでしょう
うまくいかなかったモールド作り
私も遠い昔、アーチスタフォルモ(石粉粘土)を使って、下手くそながら数体のゴジラを作った事があるのですが、その時は、作りかけのゴジラに粘土の表面が乾かないうちに、鉛筆や千枚通しなどで溝を引いてみたのです。
しかし、粘土の弾力や徐々に表面が乾いてくるのもあってか、リアルな深い溝のモールドには出来ませんでした。
それでも、造形家の真似事が出来て、本人としては凄く気に入っていたのです。
私も歳をとってしまったせいか、ゴジラのガレージキットを手に入れて手元に置いて楽しみたいとか、粘土造形を楽しむ時間もないので、最近はゴジラのガレージキット集のmook本などを写真集代わりに楽しませてもらっています。
最近そんな怪獣のガレージキットのフォトブックなどを見ていると、驚くほどリアルなゴジラのモールドが再現されています。
「これは、いったいどうやって作ってるんだ⁉︎ なにか特殊な技があるのか⁉︎」
学生時代に作った私のゴジラの写真と見比べると違いすぎて、まさにプロや名人の凄さに感心させられます。
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リアルなモールドの作り方を考えてみる
ネットサーフィンして核心部に迫る前に、彼らがどうやってゴジラのモールドを作っているかを想像してみると、
- ゴジラのパーツを完成させながら同時進行で、粘土が固まる前に、スパチュラや先の尖ったものでモールドを入れていく。
- ヒダヒダの厚みだけ痩せて本体を作り、水を含ませてグチャグチャにした造形粘土を表面に着けながらスパチュラなどでリアルなモールドを作る。
- 同じくヒダヒダ分だけ細くボディーを作りエポパテやポリパテを表面に薄く盛りながらスパチュラなどで刻みを入れていく。
- 同じくモールド無しのゴジラを作り込み、粘土またはパテが完全に乾いてから、角形彫刻刀でヒダを掘っていく。
私はこの方法にチャレンジしましたが、リアルに表現出来ませんでした。
- 粘土が乾いてからリューターを使って表面を削ってモールドを刻む。
この方法で作っていた人がいたような気がします。
30年以上前の記憶で怪しいのですが、以前、ホビージャパンの記事で、造形家のは速水仁司さんの記事で、有名な彼の作品群「ゴジラ・スーツ・バリエーション」のゴジラの体表の処理が雑だという指摘を受けて、その当時の彼の新作の84ゴジラでは、全身をリューターで削ってモールドをつけた。というのを読んだ記憶がおぼろげながらあるのです。この速水84ゴジラのモールドは、現在、巷で見かけるゴジラのガレージキットとは違って見えます。(記憶違いかも)
- 実際のゴジラの着ぐるみがスポンジを千切って貼り付けたのと似た方法で、粘土を指で転がして小さなちりめんやツブツブを沢山作り、ゴジラの表面に接着剤で貼り着けていく。
こんな事やっている造形家の方はいませんよね、たぶん。
- 焼かないと固まらない「スカルピー」という素材で作り、じっくりスパチュラなどでモールドを表現していく。
などなどでしょうか。
調べてみると、やはり一般的なゴジラのモールドの作り方は、石粉粘土にしても、エポパテにしても、スカルピーでも、盛って造形しながら、モールドも作っていくようです。
私も昔、ゴジラを作った時も同じように作った記憶があるのですが、うまく出来ませんでした。思い出すと、数分で簡単に、尖ったもので溝を引いただけでした。これじゃリアルに出来るわけないか。
造形家の皆さんのブログを拝見してみると、モールド入れは手間のかかる作業だという事が分かります。皆さんひとつのパーツを作るのに相当時間をかけておられます。
ホントすごい。完成まで何ヶ月も掛けているんですね。
私は作り始めて4、5日くらいで出来上がらせて喜んでいましたから、それではあかんかったのですね。
使う道具
- スパチュラを改造したもの
- 割り箸を削ったもの
- 爪楊枝
- 歯ブラシ
など
ある造形家の方は、モールド部分を、水で練って柔らかくした石粉粘土を着けて後から作る方法をとっていました。本物の昭和ゴジラのように、後からヒダを直着けする方法はなかなか面白い方法だとと思うのですが、どうでしょう。
造形家さんのブログを見て回っているうちに、なんだか、ゴジラが一体欲しくなってきました。
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