怪獣粘土造形製作の為の貴重な資料『怪獣秘蔵写真集』

ガレージキットなどの怪獣のフィギュアの原型を作るときには、現存している怪獣の写真が必要です。

あらゆる角度から撮影された写真があればあるほど、良い原型が作れるでしょう。

怪獣造形作家に、強い味方になる本がありました。

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東宝撮影所の近所に住んでいた少年達が羨ましい限りです。

今回は、粘土造形でリアルな怪獣を製作している、または、これから作ろうと思っている人にとって、着ぐるみのディテールが分かる貴重な写真が載っている写真集、『怪獣秘蔵写真集 造形師村瀬継蔵』の紹介です。

この写真集を見ていると、撮影所の近所に住むと思しき子供達が、撮影所内で着ぐるみと遊んでいたり、記念撮影しているような写真が幾つか載っています。

「スタジオに遊びに来た子供達」という事なのですが、この子供達は撮影所の近所にに住んでいる子供達なのでしょうか?それとも東宝の社員さんのお子様なのでしょうか?

写真の注釈に「村瀬氏の娘さんとゴジラのギニョール」なんていう写真のページもありますから、関係者のご子息が見学に来ていたのかもしれません。

子供が被っている野球帽はもちろん巨人帽です。「巨人・大鵬・卵焼き」時代の真っ只中です。

本当に羨ましい限りです。

この写真集の中で、怪獣の着ぐるみと一緒に遊んでいる子供達はおそらく現在60歳を過ぎた位の年齢になっておられるでしょう。

近いうちにお孫さんに「おじいちゃんは小さい時に、東宝の撮影所に言って、ゴジラと遊んだんだよ。」なんて話してあげる時があるかもしれませんね。

東宝特撮の頼もしい協力者。それはパートのおばちゃん達。

以前にも特撮の本などで、映画に使用する着ぐるみなどを作るのに、近所の奥さん達の手を借りていた事は知っていましたが、この写真集には、パートのおばさんが如何に戦力として働いてくれていたかが分かります。

ネタバレになりますが(写真集にネタバレはあるか?)、数ある写真の中で私が目についたのは

  • 「マタンゴにラテックスをぬるパートのおばさん」 
  • 「型から抜いたキングギドラの頭を抱いて微笑むパートのおばさんたち」
  • 「2代目ラドンとパートのおばさんたち」
  • 「完成したバラゴンの着ぐるみと村瀬氏、を囲むパートのおばさんたち」

という写真群‼︎

パートのおばさんなしで東宝特撮なし‼︎ そして、おばさん、奥様方のヘアスタイルも含めたファッションが洒落て見えます。昭和モダンって感じです。

現代の特撮マンを志す人達ならタダでもやらせて頂きたいようなお手伝いです。

こうやって写真集などで見てみても分かりますが、全盛期の東宝特撮って、「特撮映画・怪獣映画」のクリエイターを志して夢を叶えた人は存在していなくて、村瀬さんしかり、井上泰幸さん、中野昭慶監督も、偶然特撮畑に流れ着き水を得た魚のように活躍したという感じの方々ばかりなのですよね。

当たり前か、特撮映画の創成期です。そして高度成長期です。映画は当時の娯楽の王様でした。

パートの奥様方は、平成ゴジラの時代も活躍されていたようです。

どうやって募集していたのでしょう。

撮影所の近所を回って声を掛けていたのでしょうか?

樋口真嗣監督も最初はバイト(見学?)で東宝のスタジオに入ったらしいので、パートさんと似たようなこともしていたのかもしれませんね。

怪獣粘土造形の資料として貴重な写真が盛りだくさん。

リアルな怪獣造形を目指して、いろんな角度から見た怪獣の写真を探している造形作家さんは多いと思いますが、この『怪獣秘蔵写真集 造形師村瀬継蔵』はそんな人にオススメの写真集です。

特に、モスゴジ(地球最大の決戦バージョン)、キングギドラ、2代目ラドン、バラゴンのフィギュアを作っている人にとってはとても参考になる写真が掲載されています。チタノサウルスのディテールの分かる写真も多いです。

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東宝以外の作品の写真も

村瀬継蔵氏はフランケンシュタイン対地底怪獣」で東宝を離れます。その後、大映、円谷プロダクション、東映などでも活躍します。(平成ゴジラでも)

私はついつい「東宝特撮のスタイルは〜」なんて言って、映画会社によって、スタッフやスタイルが全然違う人達がライバル心を持って映画を競いながら作っている。と思いがちなのですが、実は、この頃からクリエイターさんたちは、映画会社の境を越えて仕事をしていたのだということがわかりました。

モスラの目の複眼と仮面ライダーの目は同じ構造で作られているのです。これは感動です。(東宝から東映への技術伝承!)

私は、昭和30年代の写真の注目しましたが、写真集は村瀬氏の平成までの写真を網羅しています。平成キングギドラの製作中の写真など。

そうそう、昭和のキングギドラは最初の予定の体色、青い色のキングギドラの写真が載っています。  やっぱり昭和って魅力的な時代でした。もちろんこれからの未来も!

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