特撮とCG、解説本が面白いのはどっち?

SF系の映画のフィクションのシーンはCG、VFXが主流になり、かなりの年月が経ちました。

フィクションのシーンは、昔から使われていた「特殊撮影」「特撮」ではなくなっています。

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シン・ゴジラが特撮マンを目指すもの達に与える影響。

SF映画、怪獣映画をそのまま『映画』として観るなら、古くからの特撮がCGに変わったとしても、それほど見方は変わらないかも知れません。

しかし、私を含む、ちょっと捻れたふる〜い人間にとっては、「何かが終わりを告げた」感があるのです。

小中学生の頃、ゴジラをはじめとした怪獣映画で育った人間の間には、怪獣映画のムック本などを見て読んで、制作現場の裏側に触れて痛く衝撃と感動を覚えた人は沢山いたと思います。

巨大なセットに驚愕することはもうないのか

『空の大怪獣ラドン』の阿蘇山のセットや、『地球防衛軍』のミステリアンの基地。モスラが蹂躙する東京のどデカいミニチュアセットの写真群を目の当たりにして、胸が高鳴らなかった少年はいないハズなのです。

そして、忘れられない東宝の大プールを使っての数々の名シーン。

ああ、手作りの特撮っていいなぁ。と、その一つひとつを思い浮かべただけで、改めて感動が蘇って来ます。

VFXやCGを使ったシーンにも、もちろん名シーンは沢山あります。

今回の『シン・ゴジラ』でも、電柱と電線を上手く使った、私の大好きな「〇〇越しに見える△△」。ここでは、電線がぶらんぶらんと揺れる、その向こう側にゴジラが見えるというカットが、第1作『ゴジラ』に通ずるものを見せてくれました。

ゴジラ映画の名シーンを独断と偏見で勝手に選んでみた

しかし、その感動のシーンが、どのように作られていったのかを、財産として記録し残すという観点からすると、『手作り特撮』の頃とは随分と違ってきます。

東宝特撮映画全史の感動

『東宝特撮映画全史』という本に出会った時の感動は忘れられません。初版は82年か、83年だったと思います。

当時はビデオが一般に普及するギリギリの時代。お金持ちではない特撮ファンの場合、東宝の特撮映画はサントラや映画のドラマのハイライトを詰め込んだLPレコードで楽しむのがスタイルでした。(私だけかも)

仙台のダイエーでゴジラ映画のドラマLPを購入した時、そのLPに挟まれていたチラシが『東宝特撮映画全史』の注文書でした。たしか、特別限定本で、この注文書でないと買えなかったと記憶しています。(しかし、長い間本屋にも売られていましたwww 今も売ってるっぽいwww)

チラシの点線をチリチリと切って注文しましたよ私。どうやってお金を払ったか記憶がありません。現金書き留めだったかな?

内容は感動的でした。付録で『ゴジラ』と『三大怪獣地球最大の決戦』の35ミリフィルムのデュープで作った栞が付いていました。本の校正がちゃんと出来ていなかったのか、内容の修正ヶ所を書き出した紙が入っていました。

この本は、特撮本、特撮飢餓状態の男にとって宝の山でした。制作現場の写真がいっぱい、知らなかった現場のエピソード。

ちょうどこの時期は怪獣ガレージキットの創成期。私も影響を受けて、粘土でゴジラを作りだしました。粘土原型を作るための写真資料としても、この『東宝特撮映画全史』は1級品でした。
(ヤフオクで売ってしまったのを、このブログを始めてから後悔しています。)

ゴジラ映画に影響を受けて、↑のような流れを経験したファンの方は少なくないんじゃないでしょうか。

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特撮映画の解説本がつまらなくなる?

手作り特撮の頃のムック本は面白いのです。内容が大したこと無くても、初めて見る写真を発見しただけで、おおっとなります。

しかし、これからはどうなるのでしょう。ムック本に載せられる制作現場の写真を見て、胸が高鳴る少年は出てくるのでしょうか?

監督の絵コンテの写真なんかは見て胸が高鳴るかも知れませんが、制作現場の写真は、PCモニターを見ながらビルが壊れるシーンをコンピュータで作っているクリエーターさんの背中。みたいなカットばかり。なんてことに…。

コンピュータ画面とクリエーターさんへのインタビュー記事でおじさんはワクワク出来そうもない…。

それは、昭和ゴジラ、平成ゴジラ辺りの特撮がお好みの方にとっては、少しさみしい内容の本になってしまいそうです。東京の巨大セットに立つ「大巨人」と化した円谷英二特技監督の写真を見た時と同じ感動は今はなかなか味わえないのかも知れません。

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特撮マンを目指す人はどうしたらいい?

このような状況の中で、昔ながらの特撮マンを目指す人は、どこへ向かえばいいでしょう?

コンピューターの勉強?

何かが違う気がします。

と言っても、昔ながらの特撮の最後が「ゴジラvsデストロイア」(1995年k公開)だとして、仮に特撮マンを目指したいと思ったのが当時16歳とするならば、その少年は、現在はもう36歳前後になっています。

目指すも何も、もし夢を叶えていらっしゃるなら、現役バリバリで、山を作ったり、ビルを作ったり、火薬を爆発させたりetc…。

でも、映画はCGの時代に…。

昔ながらの特撮マンさん達は、ディズニーなどのアミューズメントパークやパビリオンなどの仕事などをこなしながら、来たる「大特撮映画」の制作に、いつでも参加出来る準備をしているのでしょう。

見たい。大セットのミニチュア特撮大作を‼︎

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