怪獣ラドンの歴代の着ぐるみ造形について語ってみた

ラドンは何代目が好きですか?

東宝怪獣映画で初のカラー映画は「空の大怪獣ラドン」ですね。

その後も、いくつもの作品に登場してくれたラドンですが、その着ぐるみはこれまで何体作られているのでしょうか?

そして、それらの着ぐるみの中で、あなたはどのラドンがいちばんお好みですか?

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怪獣ラドンの歴代着ぐるみを初代から順番に語ってみましょう

「空の大怪獣ラドン」は、1956年12月26日に公開された、怪獣映画では初のカラー作品です。

この映画に登場したのが初代ラドンです。

映画の中で最初に登場するのはあの赤茶色のラドンではなくて、卵から孵った子供のラドンです。

この雛ラドンは人が入っているように見えます。

中島春雄さんは自分が入ったと言っています。

しかしギニョールという話も。

小ちゃな翼をパタパタさせているのが着ぐるみで、メガヌロンをついばんでいるのがギニョールではないでしょうか。

この雛ラドン、出来がいいですよね。

平成のベビーゴジラとか見ていると、この雛ラドンの造形には感心させられます。

話を戻しましょう。

成獣になったラドンの造形。

やはり初代は強い!

よく出来ています。

単体での出演で造形も1体に時間をかけられそうだし。

非の打ち所がない造形だと思います。

唯一のウィークポイントは、他の着ぐるみでも言えることですが、脚が逆くの字形に出来ないという、人が中に入る着ぐるみの宿命があります。

特に鳥型怪獣のラドンにとっては。

岩田屋のビルから地上に降りるシーンや、自衛隊との攻防中に、ラドンが両足ジャンプをするのですが、ちょっと不格好になります。

しょうがない。しょうがない。

初代ラドンの顔のモデルは?

初代ラドンの頭部のデザイン。

これが秀逸です。

この頭部の利光貞三さんの造形です。

実際に存在するんじゃないかと思わせます。

このラドンの顔、以前から何かに似ているなぁと思って、思い出せなかったのですが、最近分かりました。

烏天狗です。

画像検索ナウ! 烏天狗

どうです?似ていませんか?

初代ラドンのクチバシの上のもっこりした部分が、そう思わせるのです。

眼球が確認できない

初代ラドンの頭部の特徴としてあげられるのは、目の部分が常に影になっていて、眼球が確認できないところです。

これがかっこいいんです。

ツノへとつながっていく目の上のヒサシ?が目の部分を常に暗くしているので、表情が分からない。

正に、謎の怪鳥。

目が確認できるシーンに出てくるのはギニョールのラドンです。

鳥に近づいた2代目ラドン

「三大怪獣 地球最大の決戦」で阿蘇山から蘇った2代目ラドン!

蘇ったのはいいけれど、随分と前と造形が違っています。

どちらかというと、爬虫類というよりは、「鳥」のイメージが加味されています。

クチバシの部分の色が薄いところが鳥っぽさを強調しています。

目の下のあたりに左右1本づつ小さなツノが生えています

これは初代にはなかったものです。

利光貞三さんは、何か物足りなさを感じたのでしょうか?

「目の下、ここにツノでも生やしてみるか!」

それとも、円谷特技監督の要望でしょうか?

足のデザインも変わった

初代ラドンの足は、股から腿にかけて前掛けのように膜があり、人間の足っぽさが見えないようにカモフラージュしていました。

2代目はその部分も方法を変えています。

逆に足の大腿部を太くして造形しています。

提灯ブルマーを履いたラドン。

もしくは、ニッカボッカにゲートルスタイルの星一徹とうちゃんスタイル。

大げさか!

その翼、硬すぎやろ

「三大怪獣地球最大の決戦」で、ラドンとゴジラは最初、富士山麓でいがみ合います。

そういえば、2匹が喧嘩する理由ってなんでしたっけ?

特になかったですよね。

それはそうと、ゴジラと喧嘩中に、ラドンは翼の羽ばたきで起こす突風で、ゴジラを後退りさせるというシーンがあります。

しかし、そのシーンの翼の動かし方と風の起きる感じ…。

無理があるやろ!

全然、翼が動いてない!羽ばたけてない。

土煙りを立てて雰囲気はでていますが。

風に押されて後退りするゴジラ…付き合いがいい。

この時の羽ばたきシーンの反省があったのか分かりませんが、「怪獣大戦争」では、翼で突風を起こすシーンでは、翼の振り幅が広くなっていました。要チェック!

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怪獣大戦争のラドン

「怪獣大戦争」に登場するラドンは「三大怪獣地球最大の決戦」のラドンと同一の着ぐるみで、改造された?ということなのですが、私には別モノに見えてしょうがありません。

造形が前作と変わったところ

本当に前作のラドンの改修版なのでしょうか?

私が画像を見ただけでも違いが分かるヶ所をあげてみます。

首にくびれがなくなった

前作ラドンは頭部と首に若干のくびれがありました。

「俺の知ったことか!」と首を振るラドンの首はちょっと細めだったはず。

しかし、怪獣大戦争ラドンは正面から見ると、頭部の横幅より首は細くなっておらず、徐々に広がっています。

脚が提灯ブルマーじゃなくなってる

怪獣大戦争ラドンは前作ラドンの提灯ブルマー部分のふくらみがなくなって緩やかに下に向かって細くなっています。

メリハリがなくストンとしていてちょっとかっこ悪い。

X星で、すくっと立っている姿が、やっぱり三大怪獣の時のラドンと全然違います。

怪獣大戦争では、着ぐるみよりも、人が入っていないタイプのラドンのほうが活躍している気がします。

ラスト近くでキングギドラの尻尾を咥えているラドン。あれは着ぐるみじゃないハズ。

怪獣総進撃のラドン

「怪獣総進撃」にも数タイプのラドンが使われています。

イルカを捕まえるラドンは初登場かもしれません。

着ぐるみは、また部分的に直されての登場と言われています。

が、これがどんどんかっこ悪くなっていく。

翼が分厚く見えて、とても飛べそうにありません。

中に入っている人が、翼が動かせていない。

「怪獣総進撃」でも翼での突風攻撃をするシーンがあるのですが、これが、これまでの突風攻撃でいちばん翼が動いていません。

その途中、ラドンの顔が一瞬アップになるのですが、この顔がまた…。目がいっちゃってる感たっぷりで。

ラストシーンでヘリコプターから人間たちが、小笠原怪獣ランドの怪獣達を、見下ろしながら笑顔を作っている場面。

怪獣たちが順番に映し出されます。

その時に、ランドの順番が回ってきますが、私にはランドの心の叫びが聞こえました。

「翼が動かせねえんだよ〜!」

ゴジラVSメカゴジラに登場するラドン

平成ゴジラシリーズ「ゴジラVSメカゴジラ」にラドンは登場しますが、人が中に入る着ぐるみタイプのラドンは出てきません。

私は最初に、このラドンを見た時、頭のツノが3本???

「これはラドンじゃないじゃん!」ってのが第1の感想でした。

頭の2本のツノがラドンがラドンたる所以だろが!

と、昭和怪獣好きならそう感じたんじゃないですか?

でも、不思議なものです。

伊福部昭サウンドをバックに弧を描いて飛んでいる姿を見せられると、正しく

「ラドンだよ、ラドンが復活したよ!」

と、洗脳されてしまうのです。

この時のラドン、頭のツノが本になったのに加えて、背中側の真ん中に一列の小さなツノ(ヒレ)がつきました。

全体的には、私たちがイメージしているプテラノドン的なテイストが感じられます。

でも、プテラノドンって頭のツノ?は1本だけなんですよね。

ファイナルウォーズのラドン

「ゴジラ FINAL WARS」には着ぐるみのラドンが登場します。

私のファイナルウォーズラドンに対する印象はというと、

初代とVSシリーズのラドンを足して2で割ったというような印象を持ちました。

どことなく初代と同様の烏天狗っぽさがあります。

「ゴジラ FINAL WARS」の怪獣たちは人間のシルエットが見えすぎ?

「ゴジラ FINAL WARS」に登場するいくつかの怪獣の造形的な特徴は、

中に入っている人間のシルエットが丸分かりになることを承知の造形になっている

ということです。

これは、北村龍平監督が、チャンピオン祭り肯定派で、怪獣プロレスを見せたかったと勝手な推測をしてしまいます。

  • 細身で尻尾の短いガイガン!
  • 走ってくるキングシーサー!
  • 走ってくるモンスターX!

どれも下半身が人間のままやないかい!

そして、御多分に洩れず、ラドンも人間のシルエットが見えすぎて…。

特に腕の部分が。

足の膝の部分は上手く表現されていますが、なんだか翼がとても小さい。

ジェットエンジンでも付いてりゃ飛べるでしょうが、体の大きさに比べて、あの翼の大きさじゃ、羽ばたいても、とても飛べそうにない気がします。

よっぽど肉体を空洞化して軽量化を図るとか。

しかし劇中劇では、ビルに乗った足元からそのビルが崩れるといった描写があったので、重量はそれなりにあるでしょう。

とはいえ、サッカー対決のシーンでゴジラに向かって滑空してくるラドンは正しくラドンだった。

どっちやねん!

ハリウッド版ラドンの造形はどうなる?

ワーナーブラザーズとレジェンダリーピクチャーズはゴジラに続き、キングギドラ、モスラ、そしてラドンの使用権も獲得し、既に撮影に入っています。

そこでのラドンの造形はいったいどのようなものになるのでしょうか?

もう完全な着ぐるみはありえないでしょう。

プテラノドンの変異種だという設定もたぶん消えているに違いない。

そして私は、こんなふうに予測します。

日本の東宝怪獣映画ファンが叫ぶ!!

「こんなのラドンじゃない!」

そうならないことを願いながら、公開を待ちましょう。

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