土木作業、建築作業の工事方法に、アンギラス工法があります。
ラフターというドデカいクレーンに長〜いドリルと杭打ち機を取り付けて、それを使って地中に穴を掘っていく工法です。
なぜに、この工法をアンギラス工法と呼ぶのでしょう?
ゴジラの相棒?の怪獣アンギラスと何か関係があるのでしょうか?
アンギラス杭打ち機とは
アンギラス工法に使われるのは、リーダーレス杭打ち機です。
このリーダーレス杭打ち機を大型のラフタークレーンのブームに取り付けて削孔します。
ラフタークレーンを使用することと、リーダーレスであることが特徴です。
街の工事現場でもし、杭打ち機を使って工事している所を見つけたら、この「ラフタークレーン」「リーダーレス」の2つのポイントが、他の工法と見分けるポイントとなります。
アンギラス工法は、またの名を
「スカット工法」
とも呼ばれます。
どこがアンギラスなんだ?
この工法の、どこがアンギラスなんだ?
と、怪獣映画好きな人は思ってしまいますよね。
連想できることは、
- 杭打ち機がアンギラスの頭に似ているから
- アンギラスの、あのトゲのついた尻尾で土に穴を掘ったら、いい杭打ちができそうだから
- アンギラスが地中に潜れるので、地中を掘る怪獣の中から代表して命名された。
などが、考えられます。
みな、嘘っぽいですね。
アンギラスがなぜか地中から現れる「ゴジラ対メカゴジラ」(1974)。
あんなに背中にトゲがついていたら、地中を進むのはとてもしんどいと思うのですが…。
それか逆に、あの背中のトゲで硬い地中の岩盤を砕いて進むと考えれば道理にかなっているとも言えますね。
それなら「アンギラス工法」のネーミングに怪獣アンギラスが選ばれてもおかしくはありません。(ちょっと無理矢理でしたか?)
アンギラス工法はいつ開発された?
リーダーレス杭打ち機という名称が出てきたのは、年表で見てみると1986年です。(日立建機、リーダーレス型杭打機・RX200が、1986年1月に発売)
しかし、RX杭打ち機は、パワーショベルのアームに装着する杭打ち機なので、アンギラス工法に使用する杭打ち機は、それより後に開発されたと考えられます。
調査の結果分かったことは
この段階で、なぜアンギラス何か分かりませんが、
ある事実が判明しました。
上にあげた、別の呼びかた
「スカット工法」
この「スカット工法」という呼称で特許が取得されていたのです。
しかし後に、特許が否認されたのですが、部分的には特許が残っていたというのです。
この部分的な特許というのが、微妙らしく、
おそらく、工事における書類を作る場合に「スカット工法」という呼称を用いると一部、特許料が発生してしまう恐れがあるので「アンギラス工法」という呼んでいる。
というのが真相らしいです。
スカット工法協会から訴えられる可能性があるらしいです。
そして、これが理由で、工事の見積もりが安くなってしまうという現実もあるようです。
しかし、なぜ「アンギラス」なのかは不明です。
ウナギ工法?
ウナギは英語で
eel
が、一般的でしょうか。
しかし別の言い方もあります。
Anguilla
とも呼ばれるのです。
アングイラです。
これを複数形にして
「Anguillas 工法」
アースオーガースクリューでウナギも住めるような長い穴を土に空ける工法なので、
「ウナギの穴工法」
↓
「Anguillas 工法」
↓
「アンギラス工法」
これは、私の推測に過ぎません。
この推測が本当なら、英語でもそう呼ばれていていいはず。
そう思って、海外のサイトをネットサーフィンしてみましたが、そんな呼びかたはありませんでした。
検証結果
「アンギラス工法」は、
やはり、東宝特撮怪獣映画のアンギラスからの命名としか思えないのです。
そてにしても、ウォーターポンププライヤーの「アンギラ」といい、今回の「アンギラス工法」といい、ガテン系の職人さんたちは怪獣が好きなのですね。
内心、「俺らの造ったビルは、あんなに簡単には怪獣には壊されないぞ」なんて思っているかもしれませんね。
他にも怪獣にちなんだ工事道具や工法ってあるのでしょうか?
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